No. 06, 07 & 08 六日月、七日月、半月

  上弦の月

夕暮れ時 見上げた空に 半月を見た
綺麗な半円形のフォルム
不思議なグラデーションを描く空に それは浮かんでいた

目をとじて 目の前に一つ
まっすぐな弦を引く
ピィンと 気持ちを張り詰めてみる
感覚が冴えてくる
頬を刺す風は冷たい
自転車が坂を下る音がする
落ち葉の匂いがする
どこかで鳥の羽ばたきが聞こえた

そうやって
ずっと目をとじていると
いつもは見えないもの 聞こえないもの 感じないものが
全身に何かを呼び掛けてくる
泣きそうになって でも
どこか懐かしくて 温かくて
激しさと静けさが去来する

過ぎてゆくものを追うこともなく
来るものを拒むこともなく
ひたすらに ただひたすらに
在るべき自己のために 今と言うこの細い弦の上で生きる

そんな思いを起こさせる 今宵の月