Flavor Of Life by 宇多田ヒカル

“どうしたのと 急に聞かれると ううん なんでもない”

サンガツムイカ

芸能人の離婚話を聞いた夜、別の場所で聞こえた切ない声が、
別れの歌に聞こえたんだ。
だから、別れなきゃいけないって啓示なんだって思えたの。
さよならしなくちゃいけないんだって。
誰かがそのままで良いんだって言っても、変わらなくちゃいけない。

甘えていた自分と、さよならするんだ。
もう、このままじゃいられないから。

変わるっていうことは何かと別れるっていうこと。
別れるっていうことは、新しいものと
出会う準備を整えるっていうこと。
だから、変わるっていうことは、新しいものと
出会うこと自体ではなく、新しいものと出会うために
何かと別れるっていうこと。
どうして、とかじゃなくて、どうしてもってこと。

だって、どんなに五体満足って言ってみたって、
私の手はふたつ。
この小さな両手だけ。
私が持っていられるのは、この両手に抱えられるものだけ。
それが多いのか少ないのか分らないけど、
新しい何かに出会う時、両手にそのまま追加ってわけにはいかなくて。
誰しも別れを強いられる。

ううん、強いられるんじゃなくて、選ぶんだ。
変わらぬもののかわりに何かを変えることを。

選んだんだよ、私も。
ほんの少し、いや、まだまだ迷う気持ちのほうが多いけど。
選んだら、進まなければ。

安心しててね、辛いわけじゃないから。
辛くないわけでもないんだけど、自分で選んだことだから
頑張れるし、平気なだけ。

なんでもないっていうの、ほとんど口癖だけど、
関係ないって意味とは違うから、
見守ってくれるとうれしいな。


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